交通事故の後に行われる示談交渉って何だろう?

交通事故の後に行われる示談交渉

交通事故では、示談交渉というキーワードが出てきます。
そもそも交通事故は、大きなトラブルなのです。
そこで、加害者側が被害者側に対して交渉を求め、裁判以外の場で決着をつけようとします。
これが示談交渉ですが、損害賠償金額に対する話し合いとなるのが一般的です。
つまり、何か決められた基準で話あったりするのではなく、お互いが納得いく形を探っていこうという形になります。

ただし、どちらも交渉のプロというわけではない可能性が高いでしょう。
どんな交渉にしていいのかもわからないはずです。
そこで、示談交渉では、保険会社同士で話し合いをしたり、弁護士を入れたりするのです。
一般的には、被害者側が弁護士で、加害者側は支払いを担当する保険会社となる図式になります。

示談交渉と過失割合

示談交渉では、どのような示談金をいくら支払うのかを決めていきます。
その際に、どちらにどれぐらいの責任があるのか、過失割合もはっきりさせなければいけません。
交通事故の多くは、どちらも加害者であり、何らかの責任があったと判断します。
これを過失割合と呼ぶのです。

例えば、止まっている車に後方から追突した場合、被害者はどうにもできません。
何もしていない状況の中で追突されたわけですから、過失割合は100:0になります。
しかし、交差点の事故だった場合、どちらの運転手にも回避できる可能性があったりするでしょう。
動いてしまったことで事故になるケースもあるのです。
そのため、100:0になることはほぼありません。

さらに示談の条件に関しての話し合いもしながら、まとめていきます。
こうなると、素人では難しいことなのがわかるでしょう。

算定基準には差がある

示談交渉で重要なのは、どれぐらいの相場になるかです。
保険会社があいだに入ることになれば、要注意しなければいけません。

保険会社は営利企業であり、保険金を支払いはしますが、できるだけ損失は小さくしなければいけないのです。
この状況の中で、被害者に申し訳ないと思っても、多く支払いたくありません。
当然の行動です。
弁護士は、依頼者に利益をもたらすのが仕事ですので、少しでも多くなるように交渉します。

問題は、何を基準にして話し合いをするのかですが、保険会社は独自に基準を設けています。
これが算定基準です。

保険会社の算定基準は、自社に利益を出すための基準なのを忘れてはいけません。
弁護士は裁判になったときの金額を基準にします。
この差はとても大きく、3倍以上になるケースもあるのです。
そのため、示談交渉では弁護士に依頼して進めるのが基本です。
自分で交渉してしまうと、保険会社のペースに乗せられてしまうため、注意しておきましょう。

交通事故の治療費の支払い方は?

治療費の扱い

不運にも交通事故に遭ってしまった場合、治療費をどうしたらいいのか迷ってしまいます。
自分は事故に遭ってしまった被害者であり、過失がなかったとしたら、余計に誰が治療費を持つのか考えなければいけません。

怪我の治療費の基本は、加害者が負担します。
加害者が存在しなければ、そもそも被害を受けることはありませんでした。
つまり、加害者に責任があることになります。

治療と並行して加害者が病院に支払うのが基本とはなりますが、そうはいかないケースもあるでしょう。
大急ぎで施術を受けなければいけないのに、加害者の反応を待っていることなどできないからです。
そこで、一旦被害者が治療費を支払うケースが出てきます。
この場合には、立て替えといった状態であり、後日加害者側に請求することになるのです。

保険組合に連絡

加害者側が任意保険に加入していたと仮定します。
中には入っていない人もいるのが任意保険ですので、この方法は前提条件があるのです。

この場合には、任意一括対応と呼ばれる方法を取ります。
加害者がすべて対応するといったケースですが、手続きが間に合わない場合や保険会社が拒否した場合などは自分で建て替えなければいけません。

この場合に健康保険を使うことができます。
立て替えのケースでも問題はありません。
この場合、健康保険を使いたいことを伝え、保険組合に提出することになります。
第三者行為による疾病届や事故発生状況報告書。交通事故証明書が必要です。
本人確認書として健康保険を使うのではないため、はっきりと説明する必要があります。
これは電話でも伝えることができるため、コンタクトを取った時点で状況の説明をしなければいけないのです。

注意しなければいけないポイント

注意しなければいけない点もいくつかあります。
請求するためには、ある一定以上の通院が必要です。
それも事故との因果関係が説明できなければいけないため、交通事故に遭ったらすぐに通院を始めましょう。
仮に痛くなくても、あとから怪我がわかるケースもあります。
しかし、時間とともに事故との因果関係が説明しにくくなるため、事故直後から通う必要があるのです。

もうひとつは、接骨院ではなく、整骨院などに通う場合です。
整骨院は病院ではありません。
もちろん、交通事故の対応もできないため、支払いの対象外になるケースもあるのです。
接骨院は交通事故の対応をしているところが大半を占めるため、はっきりと状況の説明をして施術を進めてもらいましょう
分からないことがあれば、どんどん質問するのも大切です。

交通事故で多いむち打ち症

交通事故で多いむち打ち症

交通事故で怪我を負うケースはよく見られます。
鉄の塊である車と衝突した場合など、身体にも大きな力がかかるからです。
その中でむち打ち症はとてもよくあるケースと言っていいでしょう。

一般的にむち打ちと呼ばれることもありますが、正確には頸部外傷性症候群と呼ばれています。
もう一つ頸部加速減速症候群と呼ばれる場合もありますが、両方とも同じ意味です。

このむち打ち症の症状は個人差があるのが大きな問題点です。
はっきりとこの程度の痛みがあればむち打ち症と呼べるとは限らず、非常に重く苦しい症状も出たりします。
慢性化する場合もよく見られるのがむち打ち症で、数日で回復するケースもある一方、2ヶ月以上痛みを伴うケースまであるのです。
非常に辛く苦しい思いをしなければいけないのがむち打ち症で、できるだけ早く改善させたいと思うはずですが、これがなかなかうまくいかないことも多く見られます。

後から症状が出てくることも

むち打ち症の怖い点として、なかなか症状がみられない期間があったりする例です。
交通事故にあった直後は、痛みを感じにくく、後から首の痛みが出てくることがあります。
これが非常に怖い点で、気がついたときには首が痛みを発しますが、交通事故が原因か証明しにくくなるのです。

交通事故の場合、保険での治療が基本となります。
その怪我が交通事故を起因とするものでなければ、保険の対象にはなりません。
時間が経ってしまうと、本当に交通事故が原因だったのかどうかがあやふやになるのです。
こうなるといくらツライむち打ち症を訴えたとしても、自費で治療を受けなければいけないケースも出てきます。
できるだけ早く治療や施術を始めなければいけないのはこうした理由があるのです。

実際にむち打ち症だけのことではありません。
人間は衝撃を受けた瞬間に筋肉を硬直させ力から耐えようとします。
そうしなければ大きな怪我になるからです。
この状態が徐々に解けてくると、体のダメージの痛みが出たりします。
つまり、その日のうちには痛みが分からないことがよくあるのです。
交通事故を受けたらすぐにでも診察してもらいなさいと言われるのは、ここに理由があります。

信頼できるところを見つける

むち打ち症の怖い点として、レントゲンではうまく判別がつかないケースも出てきます。
これはレントゲンでうつらない部分の損傷が起こるからであり、首は痛いものの、うまく判定できない場合があるのです。
そのため他ではうまく治らないケースでも、施術先を変えると症状が改善されるケースも出てきます。
これまでむち打ち症の施術経験の多いところなどに依頼するのが大切です。

むち打ち症は湿布を貼れば治るような怪我ではありません。
かなり長いことを苦しむケースも出てくるため、交通事故の怪我でも信頼できるところを見つけなければいけないのです。