交通事故で受ける脳の損傷
脳にダメージを受ける交通事故
交通事故にあうと様々な怪我をするケースが考えられます。
代表的なのはむち打ち症ですが、これはその一つにすぎません。
体に強い衝撃を受けるため、多くのダメージが残るのです。
脳損傷を引き起こす可能性も出てきます。
脳損傷とは脳や身体全体に後遺症を残す危険性があり、意識の障害なども考えられます。
非常に重い状態であり、しっかりと損害賠償してもらえなければいけません。
局所性脳損傷
脳損傷には大きく分けて2種類あります。
局所性脳損傷は、ダメージを受けた部分が局所的であり、その部位に損傷が発生している状態です。
全体ではなく一部分であるところが特徴ですが、脳出血を起こす急性硬膜外血腫や脳挫傷、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血を起こすケースまであります。
これらを見ても分かる通り一部分であっても死に至るケースがあるほど重い状態です。
脳挫傷は脳の組織が損傷し出血している状態です。
他の症状にもつながる可能性があり非常に危険なケースと言っていいでしょう。
これらの脳のダメージにより高次脳機能障害に至るケースがあります。
日常生活に支障をきたす状態であり、後遺症として残ってしまう可能性も高いのです。
それほど脳の怪我は恐ろしいものだと考えて間違いありません。
びまん性軸索損傷と遷延性意識障害
脳の損傷でもう一つの状態がびまん性軸索損傷です。
強い衝撃によって脳が揺れてしまった時に起こります。
むち打ち症のような状態から派生すると考えれば分かりやすいでしょう。
強い衝撃で前後左右に振られてしまうと脳がダメージを受けるのです。
脳の神経細胞が衝撃によって損傷してしまった状態で、高次脳機能障害や遷延性意識障害を引き起こす可能性が出てきます。
遷延性意識障害とは、俗に言われる植物状態のことです。
これには条件がありそれを満たしていなければ遷延性意識障害とは診断されません。
①自力移動不能
②自力摂食不能
③ふん便失禁状態
④意味のある発語不能
⑤簡単な指示に従う以上の意思疎通不能
⑥眼球の追視不能、または認識不能
このような常に介護を必要とする状態であり、後遺障害一級として認定されることは間違いありません。
認定されたとしても普段の生活が戻ってくるわけではないでしょう。
非常に重い状態になることを理解しなければいけないのです。
交通事故ではこうしたことが起こります。
ドライバーは常に危険性を理解し、このようなことを引き起こさないような注意が必要です。
もちろん会社になれば補償してもらう必要がありますが、それぞれのドライバーが加害者にならないように注意して運転していきましょう。
被害者を出さないことが何よりも大切です。